キセル「ベガ」
思っていた以上に厚みがあった。
髪の毛や毛穴の一つ一つ、その芯まで熱を持つ。
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友人から恋愛の相談を受けた。かなり年下の子。
友達は、確認し合わなくても友達と言えるのに、
どうして恋人は「あなたの恋人になりたい」と言わないと、一緒になれないんだろう。
私はあなたが好きで、あなたも私が好き。
それだけのことなのに、それで十分なはずなのに。
アイスココアを喉いっぱいにため込んで、彼女はぼそりと呟いた。
何も言えなかった。
帰り道、自転車を揺らしながらぼんやり考える。
「曖昧なままにしておくのは、関係をはっきりさせることで削ぎ落とされる余白が惜しくて、
明確になる義務や介入を良しと思わないだけだよ。
好きなことに変わりはないよ」
彼女に、そう言ってあげたらよかったのかな。
怖いわけじゃない、と信じ続けられたらいい。そうだといいな。